斉次多項式の決定問題

 1変数 d多項式は異なる d+1個の点における値を決めることで常に一意に定まります。(実数 \mathbb{R}上で考えるとします。)

多変数にした場合はどうなるでしょうか。 「常に」は成り立たなくなり、多項式を決定するためにはうまく点を選ぶ必要があります。 必要条件はいくつか想像できると思います。例えば変数が x,y,z,\ldotsとたくさんあるのに選ぶ点が全て x軸上にあっては困るだろう、など。 では、必要十分条件は?...

調べるとこの問題はMultivariate Polynomial Interpolationと呼ばれ、それなりに研究もされているようです。 必要十分条件や、それより簡潔な十分条件も調べられているようで、例えば
https://kluedo.ub.uni-kl.de/frontdoor/deliver/index/docId/3566/file/PhD_Thesis_Stahl.pdf
の2章に記述があります。(私は部分的にしか理解していませんが。)

では考える多項式を斉次多項式に限定したらどうなるか。 問題は少し単純化される気もしますが、考えてみると意外と難しく、ネットにもほぼ情報が見つかりません。 そんな中関係がありそうな情報を見つけたのでまとめることにしました。

drive.google.com

与えたいくつかの点が n変数 d次斉次多項式を決定できる十分条件およびそのような点の構成方法をまとめています。 需要は分かりませんが、もしこれを読んで間違いに気付いたりもっと詳しいことを知っているなどあれば是非とも教えていただけたらと思います。

2020/10/11 追記:
PDF内で使用していた「一般の位置」という用語が少し不適切で、この用語もあまり使われないようなので表現を変更しました。 なお、 m+1 x_0,\ldots,x_mが一般の位置にあるとは、 m個の位置ベクトル x_1-x_0,\ldots,x_m-x_0が一次独立になることです。 元の文で「 m点が一般の位置にある」と言っていた部分は「 m点に原点を加えた m+1点が一般の位置にある」と言うべきでした。

2020/10/27 追記:
読んで頂いた方から指摘を頂き、補題の(i)の証明の中にあった誤りを修正しました。 その他日本語がおかしかった文など数ヶ所を修正しました。